五感を刺激する秘密基地
明治通りと諏訪通りの交差する「諏訪町」の交差点の角の一階に佇む秘密基地。歩きでは分からないほどの穏やかな坂と真っすぐに伸びる道。
そこは目印の無い交差点。
走るヘッドライトや自転車のシルエットや聞こえない足音。
それは、どこの街にいるかを忘れさせるかのような開放的な真空地帯。
「秘密基地」。大人になると使わなくなる言葉。
子供の間でも極親しい仲間でなければ口にしなかった閉鎖的な居場所。
危険で本来は立ち入りが出来ない場所に入る快感もあり、
その時間は探検や冒険で恐怖心があっても未知に立ち向かうヒーローのような気持ちになれた。
探検家、スパイ、探偵等々、何にでもなれて、演じている本人に偽りはなく、仲間意識も高まった。
その時の好奇心や世界観は自由で五感が冴えていた。
わたしたちは、今もそんな時間や空間を求めているのかもしれない。